じいちゃん

じいちゃんは、真面目を地でいく人だ。
頑固で全く、テコでも動かない。
お酒は少々、タバコもギャンブルもやらない
好奇心は旺盛で、自分が可愛いキャラだと言うことを自覚している。

戦後ばあちゃんと結婚して、農業、傘屋、そして竹刀職人。
僕のイメージは頑固な竹刀職人。夏休み九州に里帰りしたときは
蒸し暑い工場で黙々と竹刀を作っていた。ラジオから高校野球が流れ
僕はその横で、工作をしていたと思う。
じいちゃんは娘が三人(オカンは長女)なので、息子はおらず
初の男の子である僕に対して、どう接していいか分からないような
そんな空気感があった。不器用だが、竹刀の材料の切れ端を削り竹とんぼを
作ってくれた。

現在も健在で、趣味の水墨画を毎日描いている。
ほんと十年以上ずっと毎日。
朝早起きして、散歩に行き。新聞を一通り読み
ご飯を食べて、アトリエで水墨画を描き、昼ご飯を食べ、
水墨画を描き、三時のおやつを食べ、水墨画を描き
晩飯を食べ、風呂に入り九時には床に着く。
このサイクルを十年以上繰り返している。
そして毎日、日記を書いている。これは数十年という長い間。

僕は、実家にいるときはなるべくじいちゃんと風呂に
入る様にしている。背中を流しながら、昔話を聞いてあげる。
息子がいないじいちゃんが、少しでも冥土の土産が出来るならと思い。

『俺がちゃんと後継ぐからさ、心おきなく逝けるでじいちゃん』
じいちゃんはニコニコ笑った。

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