ハネムーン 01


キオクには鮮度がある。
料理も同じように、鮮度の良いものは美味しいし味の細部まで鮮明だ。
東京〜現在迄のキオクが前後するが、鮮度のいいうちに是非とも書き残しておこうという思いで綴る事にする。
ハネムーン聞こえは良いが、僕にとっては難解な問題であった。
結婚して2年、新婚旅行の予定も無く、まあいつか行けたらいいだろうと、
渋っていた。理由は、経済的なものもそうだし、何より僕は面倒くさがりだからだ。
大イベントは楽しいし、結果一番動き回っているが、その分の反動で死んだように
気が抜けてしまうからだ。
しかし、時勢が来たのだ。
オカンが友人とオーストラリアに旅行から帰ってくるや否や「海外旅行はいいわよ!私ももっと若かったら、もっと違う感性で観て来れたし、感じる事が出来た。貴方達も新婚旅行いかんね!絶対いったほうがいい!!」「結婚生活は大変やけど、女性は新婚旅行の思い出が一生あるから、辛くてもついていけるとよ」ともいっていた、亡き父との新婚旅行の思い出を無理矢理聞かされた。新婚旅行に伊勢参拝とは渋すぎる。
東京での結婚パーティーの際、友人のTJ君にも「人生で旅行は沢山あるけど、新婚がつく旅行は一度きり」と言う言葉もどこかで、僕の胸に引っかかり続けていた。
さてさて、じゃあやるっきゃない!北極だって、南米だって宇宙だってどこでもお連れしますよ僕のお姫様。。。というわけで、夏頃からか徐々に計画を立てて行った。
まず、職場の同僚のIさんに相談した。現在パッケージデザイナーの僕はIさんと2人で社内全ての紙器設計を行っている。既に、キャパオーバーだ、Iさんは大ベテランで母親くらいの年齢で僕ぐらいの3人のお子さんがいて今なお現役バリバリだ。僕がCAD部署に入ってきた事を大変喜んでくれて、心強く思ってくれている。僕も、Iさんの足を引っ張らないように日々頑張っている。そんなIさんは二つ返事で「是非、いってらっしゃい!」と言ってくれた。僕は、ガラにも無く仕事の事が気になってしょうがなかったが、一生のお願いという事で甘えさせてもらった。本当に感謝しています。
そして、いよいよ行ける事になった。
どこに行くかというと、スペインとフランス。旅行の手配は愛妻ミッチに全権を委託し、友人の叔父で個人で旅行代理店をしているMSさんと密に連絡して方向性を決めて行く。
始めに言っときますが、この新婚旅行はツアーでなく個人旅行です。
英語もろくに話せない二人が無謀にも、ハイリスクの個人旅行で10日ほどヨーロッパを回る事は、本人もとより家族中が心配した。
手配してもらったのは航空チケットと、バルセロナのホテル、ダリ博物館のチケット等のみで。パリのホテル、サグラダファミリアのチケット、観光地への行き方からお得な情報等はミッチが手配した。流石ミッチは天才である。

スペインにしたのは、僕が唯一思い浮かんだ国だから。サルバドール・ダリをずっと尊敬していたし、ゴッホやピカソが過ごした芸術を生む国を観たかったから。ミッチは僕のそう言う部分を呼び覚ましたいという思いがあった。フランスにしたのは、二人の新婚生活がフランス風への憧れと、空気感を肌で感じたい。最近ナチュラル志向である、そんなところからだ。
本当は南仏やモンサンミッシェルも観たかったが、今回の旅行の目的は、観光はそこそこ、その土地を歩き、その人々が食べているものを食べ、スーパーマーケットに行き、カフェでゆっくりして。。。とまるで住んでいるかのような体験をしたいというミッチのプランに、全面的に乗っかった。ぼくはダリの何かを観れれば十分。

とはいえ、無精な僕は出発二日前くらいまで、スペインもパリの情報も見なかった。
何とかなるだろうとなめていた。実際、ツアーであれば何とかなるかもしれない。
しかし、個人旅行に必要なのは積極性のみ。二日前にそれを気づき(完全に遅いが)、バタバタと調べてメモしだした。正直、予定が狂えば帰国すら危うい。焦ったが。
まぁその時は、その時 苦笑。。。 

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