ハネムーン 14 パリ

モンパルナス駅のバス停に着いたのは、夜の手前だった。さあさあ、駅からホテルまでは歩いていけそうだと事前に調べていたので、スーツケースをゴロゴロ押しながら向かった。しかし辺りはすっかり暗く、あいにくの小雨で、冬の空気。タクシーを拾えばいいのだが、歩いた方が街が分かって楽しいと二人で行ったり来たり。なんせ石畳の道はガタゴト押しにくかった。オープンカフェが多く、屋根はあるものの外で食事している人が多い。歩きタバコも多い、ポイ捨ても。なんとか、かんとかでホテルに到着。ここは、ミッチが日本でネット予約したところで、ちゃんととれてるか不安だったが、すんなりとチェックインできた。パリのホテルは、どこも大体狭く、水圧も弱いらしい。しかしこのホテルは、バルセロナの部屋と比べて狭かったが、南仏の田舎のようななんだか落ち着く。バルセロナのギラギラした匂いと真逆のナチュラルな柔らかいリネンの匂いがした。
フロントの紳士もとても優しく、こちらが何を言おうとしているのかかなり、向き合って話してくれた。

僕らは、すぐに外へ出た。食事をしに夜のモンパルナスへ飛び出した。
食事の前に、先程ホテルまでの道中に発見したスーパーマーケットで水を買うことにした。海外のホテルで一番いるのは水だと、バルセロナでの教訓である。水を確保する事が、何より最優先なのだ。で、レジに並んで順番を待っていた。別のレジには、フランス人のおじさんと、日本人の女性っぽかった。水を買う際、カードを出した1€もしないものであったが、カードは使えた。先程のおじさんと女性がジッとこちらの動向を伺っていた。おじさんはニコニコしていた。ミッチが笑顔でずっと見ているからである。そしてレジを抜け出口付近でとまっていた。僕らは「こんばんは、日本の方ですか?」と声をかけると、「こんばんは」と女性が答えた。「水をカードで買う人なんて初めて見たから、カードダメって言われやしないかって、ドキドキしながら見てたのよ!小銭無いのなら、私が出してあげようかって思ったのよ。」と言い。おじさんはフォフォフォと笑って「ペラペラペーラペラペラペーラ」とどうやらフランス語しか話せないらしい。こちらは全く理解出来ないが、やめるどころか勢いを増して話している。女性がそれを訳す。この二人は夫婦ではないと言っていた、が僕らから見たら夫婦にしか見えなかった。ただ、ちょっと年の離れた夫婦。僕らは新婚旅行で今日パリにやってきたと言うと、フォフォフォ!と驚いて握手してくれた。ミッチはほっぺをポンポン、頭をポンポン撫でられていた。おじさんにとってミッチは子供の様に見えるようだ。女性が「おじさんが私は近くで花屋やっているから明日遊びにきなさい!だって、私もお店には居るから、朝は9時から開いてるから困った事があったら、無くても立ち寄ってください。」と大変心強い言葉を頂いた。いやーいきなり、いい人々に出会ってしまったー引きが強いなーこの旅は。。。僕らは二人で出掛けるとかなりの確率でラッキーな事に遭遇する。不安な気持ちが、一気に吹き飛んで、パリを楽しめそうな予感がした。
二人と別れ、近くのchez clémentというおそらくチェーン店でムニュを頼む。フランスはムニュというセットメニューが多く、前菜、メイン、デザートからそれぞれ一品選んで注文するスタイルだ。前菜を無くしてもいいし、メインだけでもオッケーなのだ。プラス飲み物を頼めば完璧だ。フランスパンは無料で大量に出てきて、おかわりも出来る。ただし、水が出てこない、ミネラルウォーター(有料)か水道水(無料)を注文するしかない。しかしレストランで手を挙げて「水道水くださーい!」なんて恥ずかしいではないか。後で分かったのだが、けっこう皆、水道水頼んでる。まだ、初心者なのでビールとミネラルウォーターを頼んだ。僕は鳥で、ミッチは魚にした。ベーコンと白菜の芯の苦いサラダをバリバリ食べたら鳥がキタwwwwwwおおおおっっw美味しかった。マッシュポテトもり過ぎだろう。隣のおじさんは黙々とビールをステーキとパンをひたすら食べていた。


食事を終えて、ホテルに帰った。フランスはスペインよりジロジロ見られているような気になる。クスクス笑ってる人もいた、なんか感じ悪ーい。「大体そういう人は、自分が差別されている人か、貧しい人。常識人は、けして日本人に対して差別視しないむしろ経済大国として讃えてくれる」とミズノが言っていた。ははーん、つまりはそういう事なのね。いやしかし、ほんとこのホテルはいいスタッフだ。優しい、フランス語特有の鼻から抜ける話し方で、話していると眠たくなってくるのだ。田舎のにおいに包まれて、眠りに落ちた。
ホテルのロビー。
アンティーク小物やドライフラワーが飾られ、木を基調とした温かい室内

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