ハネムーン 15 パリ

モンパルナスの朝は曇りで少し小雨がパラついていた。排気口から白い湯気が立ち上る少し寒い朝だった。僕は、早起きなので一人先に起きて身支度をしたら、カメラを持って散歩に出掛けた。紅葉して散る並木道が何処でもあり、その数がここの自然の多さを物語る。僕は風景を撮りながら歩き、しかしまだ脇道に入る事は臆病で、ただひたすら真っ直ぐ道を歩いていった。そういえば二十歳で免許をとり初めて一人で運転して出掛けた時、1時間運転して帰ってきた事を思い出す。駐車するのが怖くてずっと、走りっぱなしだったなあぁなんて淡いキオクだった。カフェでモーニングをする人々、通勤なのか自転車で駆け抜ける人。程なく地下鉄の入口まで辿り着いた。(後にラスパイユと分かる)そろそろ部屋に戻りミッチの支度を待って0階へ行く。
外国の地上は0階で、日本でいうところの2階は1階なのだ。スペインでも同じで、お店やホテルで間違えて1階で降りて『?!』となる事があった。そしてこのホテルのエレベーターは少し変わっていて小さい。まずボタンを押すとエレベーターが迎えにくる、外扉は曇りガラスで来たのが分かり、蛇腹の内扉が自動で開く。重たい外扉を手動で開き乗り込む。しかし今何階なのかの表示は無い。着いたら同じく自動で内扉が開き、手動で外扉を開き外へ出る。しかも、これがすこぶる狭い。おそらく、後で無理矢理設置したのだろう、二人も乗れば満杯である。今朝はホテルで朝食をとる事にした。一人9€でパン、コーヒーor紅茶、オレンジジュースがでる。パンやジャムは何種類かある、これで9€は高いが雰囲気ものなのでまあ美味しく頂き満腹。
準備をして、いよいよパリを散策。ブラブラ、シャンブラしに出掛ける。


まず、昨晩スーパーマーケットで出逢ったおじさんの花屋に向かった。
通りを歩いていると突如、花や緑が溢れ出している場所があり、そこがおじさんの店であった。おじさん、いやムッシュフランソワ。お店に入るとムッシュがおーよく来たフォフォフォと話しだす。昨日の女性Tさんもおられた。日本人の女の子が何人か働いてるようだった。そして、ムッシュが凄い人だという事を、ここで知った。何やらゴソゴソと日本の花関連の雑誌(しかも現在発売中のものに)このおじさんの特集が組まれているではないか。そうなにを隠そう彼は、フランスが誇る花界の重鎮、フローリストのジョルジュ・フランソワ氏http://georgesfrancois.com/であった。そして、Tさんと共同経営で花屋と、近所にアンティークショップをやられていた。


『凄ーい!!』と驚くと、フォフォフォとミッチのほっぺたをポンポンしていた。何か言ってはTさんに訳してくれ!といいTさんは、仕事をしながら僕らの相手もしてくれたり、調べてくれたり本当に素敵な女性であった。その間も、ムッシュはフォフォフォを笑っていた。今日は、エッフェル塔を見に行く予定というとTさんは「いいねーパリは小さいから、歩いてすぐ何処へでも行けちゃうからさー是非シャンブラ(シャンゼリゼ通りをブラブラ歩く事)してきたらいいですよぉ」ムッシュがカメラは鞄にしっかり入れて行きなさい!昔のパリは本当に良かった、多くの移民が入ってきてとても治安も悪くなったペラペラペーラペラペラ、君達にいい思い出を残して欲しいからペラペーラ、気をつけなさい!カメラは鞄!カメラを持って歩いてると悪いやつはNikonが来たと思うからペラペーラペラペーラ。と注意してくれた。僕らは『はい!』と生徒のようにムッシュに答えた。しかしムッシュは小柄で、とても可愛らしく見える。逆にムッシュは僕らの事をカワイイ(特にミッチを)カワイイと来る人来る人に紹介する。Tさんに、地下鉄の1号線は一番キレイなこと、北駅付近には近づかない方がいい事、スリやひったくりには気をつける事、そして何よりもパリを楽しんでいってらっしゃいと送り出してもらい、地下鉄エドガーキネ駅に行く。花屋からは目と鼻の先である。

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